『新・山の神々いらすと紀行』
画と文・とよだ 時

第5章 北アルプスの山々

………………………………………………

■04:唐松岳・巨人伝説と祖父谷祖母谷

【概略】
昔、雲を突くような巨人が足もとに枝振りのいい小松を見つけ引き
抜いた。そして形のいい御嶽山頂に植えようとして手を延ばした時、
朝になり嫌いな太陽が昇りはじめた。慌てた巨人は松を投げ出し
一目散。唐松は唐松岳の頂上に落ちて根を張ったという。
・長野県白馬村と富山県宇奈月町

■04:唐松岳・巨人伝説と祖父谷祖母谷


【本文】

北アルプス後立山連峰に唐松岳(2695.8m)という山があります。


唐松岳とは信州側の名で、越中側の古地図には上犬ヶ岳と記載され


ているそうです。



大昔、信濃国に雲を突くような大男デイラボッチが北の方からのそ


りのそりとやってきました。西條の湖のほとりまで来た時、足もと


に枝振りのいい小松を見つけました。



「ここにはもったいない唐松だ。もっと高いところに植えてやりた


いものだ」。見渡すと高山がならぶ北アルプスの先の方に形のいい


木曽御嶽が目にとまりました。



「よしあそこの頂上に植えてやろう」。巨人が唐松を引き抜き、大


きな手のひらに乗せ、木曽御嶽に手を延ばしました。その時、夜が


シラジラと明け太陽が顔を出してきました。



日の光が嫌いな巨人は大慌て。植え替えどころではありません。松


を放り投げて一目散に逃げ出しました。投げられた唐松は近くの唐


松岳の頂上に落ちて根を張ったという。



それから幾千年、西條の湖の跡はなくなってしまいましたが松はい


までも残っているという。そして信濃国に湖や沼が多いのはその巨


人の足跡だとされています。ところで唐松岳に唐松あったっけ??



▼唐松岳【データ】
【所在地】
・長野県北安曇郡白馬村と富山県黒部市(旧下新川郡宇奈月町)と
の境。大糸線白馬駅の西10キロ。JR大糸線白馬駅からバス八方、
ゴンドラ・リフト乗り継ぎ、さらに歩いて4時間30分で唐松岳。二
等三角点(2695.8m)がある。そのほか付近に何もなし。地形図上
には山名と三角点とその標高のみ記載。三角点より東南方向直線約
250mに唐松岳頂上山荘とキャンプ場がある
【名山】
・日本山岳会選定「日本三百名山」(第252番選定):日本百名山以
外に200山を加えたもの。
・岩崎元郎選定「新日本百名山」(第55 番選定)
・清水栄一選定「信州百名山」(第51番番選定)
【位置】国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索
・【唐松岳二等三角点】緯度経度:北緯36度41分14.14秒、東経137
度45分16.78秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「欅平(富山)」&「白馬町(富山)」(2図
葉名と重なる)



▼【参考】
・「山の伝説・日本アルプス編」青木純二(丁未出版)1930年(昭
和5)

 

………………………………………………………………………

目次へ戻る