新・山の神々いらすと紀行』
画と文・とよだ 時

第4章 甲信越の山々

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▼18:南木曾岳は泣きびそ山

【略文】
南木曾岳も箱根の足柄山(金時山)と同じ金太郎伝説の山。山姥伝
説からアゲロウ山とも呼ばれ、山中には「金時ノ洞窟」、山頂付近
に金時岩もある。気流の関係でいつも霧がかかり雨が降るので泣き
びそ岳(泣き味噌・泣き虫)とも呼ばれている。
・長野県南木曽町

▼18:南木曾岳は泣きびそ山


【本文】

木曽御嶽・木曽駒ヶ岳とともに「木曽の三岳」に数えられる南木曾

岳も金時伝説の山です。江戸時代の本に山中の洞窟に山姥の石座と

いわれる石があるとあり、山姥が坂田金時を生み育てたという伝説

があります。



金明水の近くに「金時ノ洞窟」があって対岸から洞窟が望め、また

山頂付近にも金時岩があります。この山は気流の影響でいつも霧が

かかり雨が降り出すというので「泣きびそ岳」の名もあるそうです。



泣きびそとは泣き味噌・泣き虫のこと。また揚籠山(あげろうやま)

の名もあります。文献にある揚籠山の山名にまつわる坂田金時伝説

というのは、山姥伝説の山・新潟県の「上路の山」にちなむのでし

ょうか。謡曲「山姥」にも出てくる山名です。



この山は大雨が降ると蛇抜け(山津波)が発生する魔の山。こんな

ところから恐ろしい山姥の山という伝説が生まれたのでしょうか。



8月の暑さまっ盛り、アブの大群に襲われます。途中、垂直状の岩

場のクサリ場と巻き道がつくられています。山頂は誰もいない静か

な小平地。見晴台から望む木曽御嶽が雄大でした。



▼南木曽岳【データ】
【所在地】
・長野県木曽郡南木曽町。中央本線南木曾駅の東3キロ。JR中央
本線南木曾駅からバス尾越下車、さらに歩いて4時間で南木曾岳。
二等三角点(1676.9m)と写真測量による標高点(1679m)がある。
地形図上には山名と三角点とその標高と、標高点とその標高のみ記
載。付近に何も記載なし。
【名山】
・日本山岳会選定「日本三百名山」(第261番選定):日本百名山以
外に200山を加えたもの。
・清水栄一選定「信州百名山」(第92番選定)
【位置】
・標高点:北緯35度35分33.14秒、東経137度38分39.9秒
・三角点:北緯35度35分30.45秒、東経137度38分37.05秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「南木曽岳(飯田)」



▼【参考文献】
・『信州山岳百科・2』(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・『遠山奇談』1801年(亨和元)発行前編より3年後に著した。(浄
林坊辨惠著)筆名華誘居士:『日本庶民生活史料集成』第16巻(奇
談・紀聞)(山一書房)1989年(平成元)
・『日本歴史地名大系20・長野県の地名』(平凡社)1979年(昭和54)

 

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